Visual SourceSafe を使用した作業
2007. 4. 12. 17:32Visual Studio .NET と Visual SourceSafe を使用したチーム開発
Visual SourceSafe を使用した作業
.NET による分散アプリケーションの構築
Microsoft Corporation
January 2002
日本語版最終更新日 2002 年 12 月 11 日
概要 : この章では、ソリューションやプロジェクトを Visual SourceSafe に追加する方法、VSS からソリューションを取得する方法、および毎日ファイルをチェックインおよびチェックアウトする方法など、共通の開発作業全体の一連の順を追った手順を提供します。この章により、必要な作業の速度が上ります。
これは、「Visual Studio® .NET と Visual SourceSafe™ を使用したチーム開発ガイド」の第 6 章です。全容を理解するには、こちらをご覧ください。
この章は、以下の開発作業を実行するために、 Microsoft® Visual Studio® .NET が提供する統合ソース管理機能を使用して作業する場合に役立ちます。
- ソリューションとプロジェクトの作成
- 既存のソリューションおよびプロジェクトを使用する作業
- 既存のソリューションへの新しいプロジェクトの追加
- Microsoft Visual SourceSafe™ (VSS) のソース ファイルのチェックイン
- プロジェクト、ファイル、およびフォルダの名前の変更と削除
この章では、日常的に行われる一般的な作業のガイドとなる一連の処理を簡単なウォークスルーで紹介します。
注意 この章で説明する手順は、Visual SourceSafe Version 6.0c に適用されます。
Visual Studio .NET は完全に統合された VSS サポートを提供します。Visual Studio .NET は各種 .NET プロジェクトを構成するさまざまな種類のファイルを認識しますので、日常的にプロジェクトやファイルを VSS にチェックイン、またはチェックアウトするときには Visual Studio .NET の使用が不可欠です。ソース管理で自動的に適切なファイルを管理する一方で、ユーザー固有のファイルには影響を与えません。また Visual Studio .NET のソース管理機能は、Visual Studio .NET ソリューション ファイルとプロジェクト ファイルに特定の情報を追加します。VSS エクスプローラを直接使用する場合、この機能は使用されません。
図 6.1 に、開発プロセスのおおまかな概要と、VSS との対話処理で実行する必要のある一般的な 4 つの作業を示します。
図 6.1. VSS との対話処理
図 6.1 に示したように、開発者が定期的に実行する基本的な作業は 4 つあります。以下の作業が必要になります。
- 新しいソリューションとプロジェクトを作成し、VSS に追加します。
- 既存のソリューションで 1 回目の作業を行います。
- 以前に作業した既存のソリューションで作業します。
- 既存のソリューションに新しいプロジェクトを追加します。
この章では、上記のそれぞれの作業方法以外に、ソース管理を行っている VSS プロジェクト内のプロジェクト、ファイル、およびフォルダの名前の変更や、多重チェックアウト モードでの VSS の使用など、ときどき必要になることがある他の作業の実行方法について説明します。
新しいソリューションやプロジェクトの作成
ここでは、最初からプロジェクトを 1 つ含む新しいソリューションを作成して、このソリューションとプロジェクトを VSS に追加する状況を想定します。 Web プロジェクトと Web 以外の種類のプロジェクトの作成処理、および推奨するフォルダ構造を採用する処理については、第 3 章「ソリューションとプロジェクトの構造化」で説明しています。以下の手順は、指定の構造に従ってソリューションとプロジェクトを作成したことを前提としています。
注意 各プロジェクト ファイルは、ソリューション内でそのプロジェクトを一意に識別する GUID (グローバル一意識別子) を持っています。このため、既存のプロジェクト ファイルをコピーしたり、名前を変更して新しいプロジェクトを作成しないでください。同一の GUID が共有され、 Visual Studio .NET が互いを区別できなくなります。両方のプロジェクトを同じソリューションに含めた場合には問題が発生します。
新しいソリューションを VSS にチェックインする方法
Visual Studio .NET を使用して新しいソリューション ファイルやプロジェクト ファイルを作成した後、および初期開発を終えたときに、そのソリューションとプロジェクトを VSS にチェックインする必要があります。
新しいソリューションをソース管理に追加するには
- [ファイル] メニューの [ソース管理] をポイントし、 [ソリューションをソース管理に追加] をクリックします。 ASP.NET Web アプリケーションを VSS に追加する場合は、次のソース管理メッセージ ボックスが表示されます。
- [今後このダイアログ ボックスを表示しない] チェック ボックスをオンにして、 [続行] をクリックしてこのダイアログ ボックスを閉じます。
- ここで VSS ログイン ダイアログ ボックスが表示される場合があります。これは VSS 管理者がネットワーク ユーザーの自動ログインを使用するように VSS を構成していない場合にのみ表示されます。 VSS ユーザー名を入力して、[参照] をクリックし、 VSS サーバーの VSS データベースに移動します。 VSS サーバーのファイル共有で開発データベースを識別する Srcsafe.ini ファイルを選択します。
注意 : ネットワーク ユーザーの自動ログインが構成されている場合、 VSS ログイン ダイアログ ボックスは表示されません。この場合に VSS データベースを変更するには、 VSS エクスプローラを実行して [ファイル] メニューの [データベースを開く] をクリックします。そこで 適切な Srcsafe.ini ファイルを参照します。
- 現在作業しているシステムの名前を示す有効なデータベース名を入力できます。 [開く] をクリックして [OK] をクリックし、データベースに接続します。
- [Visual SourceSafe に追加] ダイアログ ボックスで、[プロジェクト] を展開し、システム名を選択します。
- [作成] をクリックします。このソリューション ファイル専用の VSS プロジェクト フォルダが作成されます。 VSS フォルダは Visual Studio .NET ソリューションと同じ名前になります。
- [OK] をクリックします。
- 重要 : ASP.NET Web アプリケーションを VSS に追加している場合、それぞれの Visual Studio .NET プロジェクトを VSS に追加するかどうかを確認するメッセージが表示されます。 Web アプリケーションの場合にのみ、以下の手順に従います (以下の 2 つの手順は Web アプリケーション以外では必要ありません)。
- [プロジェクト] を展開し、システム名を展開して、ソリューション名をクリックします。 [OK] をクリックします。
- プロジェクトを格納する新しい VSS フォルダを作成するかどうかを確認するメッセージが表示されます。 [はい] をクリックして新しいフォルダを作成します。ソリューション内のすべての Web プロジェクトに対してこの処理を繰り返します。
これで VSS のソース管理でソリューション ファイル、プロジェクト ファイル、およびソース ファイルが管理されるようになりました。ソリューション エクスプローラ ウィンドウ内の VSS に追加したすべてのファイルの横に錠前マークが表示されます。この表示は、ファイルが現在 VSS 内でロックされていることを示します。ローカルで作業中のフォルダには読み取り専用属性が割り当てられ、ファイルを VSS からチェックアウトするまでは作業できないようになっています。
編集時にチェックアウト
その後、ロックされているファイルを編集するために開くと、 Visual Studio .NET には編集時に自動的にチェックアウトする機能があり、ファイルをチェックアウトするかどうかを確認するメッセージを表示します。引き続きファイルを編集する場合、 [編集時にチェックアウト] ダイアログ ボックスの [チェックアウト] をクリックします。ファイルが自動的にチェックアウトされます。その後でソリューション エクスプローラのファイルを右クリックして [チェックイン] をクリックすると、 VSS にファイルをチェックインできます。
既存のソリューションを使用する 1 回目の作業
ここでは、チームの別のメンバがソリューションを作成して VSS に追加した状況を想定します。そのソリューションに含まれているプロジェクトの 1 つで作業するために、最初にソリューションを取得する必要があります。
VSS から既存のソリューションを取得するには
- Visual Studio .NET を起動します。
- [ファイル] メニューの [ソース管理] をポイントし、 [ソース管理で開く] をクリックします。 VSS ログイン ダイアログ ボックスが表示されます。
- VSS ユーザー名を入力し、 [参照] をクリックして VSS サーバーの VSS データベースに移動します。 VSS サーバーのファイル共有上で開発データベースを識別する Srcsafe.ini を選択します。このデータベースに以前接続したことがあり、 [次回の起動時にこのデータベースを開く] チェック ボックスをオンにしている場合は、自動的にデータベースが選択されます。
- [OK] をクリックしてデータベースに接続します。 [プロジェクトからデータベースを作成] ダイアログ ボックスが表示されます。
- [プロジェクト] を展開し、システム名のフォルダを展開後、取得するソリューションをクリックします。 [フォルダに移動して新しいプロジェクトを作成する] エディット ボックスに、「\Projects\SystemName\SolutionName」と入力します。 "SolutionName" は対象のソリューションの名前です。この結果、適切なローカル ファイル システム構造を持つことを確実にします。
- [OK] をクリックします。ローカル ソリューション フォルダが存在しない場合、作成するかどうかを確認するメッセージが表示されます。 [すべてはい] をクリックするとソリューション フォルダが作成されます。 Web アプリケーション以外の場合は、プロジェクトのサブフォルダも作成されます。
- ASP.NET Web アプリケーションの場合は、 [プロジェクト フォルダの設定] ダイアログ ボックスが表示されるので、 Web アプリケーションの作業場所を入力します。ここで Web アプリケーションの仮想ルートへのパスを識別する URL を指定できます。既定では Visual Studio .NET は http://localhost/<projectname> を想定しています。 [OK] をクリックして既定の場所を受け入れた場合、新しい仮想ルートは既定の Web サイトの下に作成されます (通常は \Inetpub\wwwroot です)。チーム環境で作業を行う場合は、アプリケーションをローカルに作成する場合であってもこの場所をお勧めしません。ソリューション フォルダの下のプロジェクト サブフォルダに仮想ルートを作成するには、以下の手順を実行後、[OK] をクリックして [プロジェクト フォルダの設定] ダイアログ ボックスの内容を受け入れます。
- Microsoft Windows エクスプローラを使用して、 \Projects\SystemName\SolutionName に作成されたソリューション フォルダの下に、プロジェクト サブフォルダを作成します。このサブフォルダの名前にはプロジェクト名を使用します。
- エクスプローラか Microsoft Internet Information Services (IIS) を使用して、このフォルダを IIS の仮想ルートとして設定します。
- Visual Studio .NET に戻り、作業場所として「http://localhost/projectname/」と入力します。
重要 : 既存の URL (Uniform Resource Locator) を上書き入力して変更する必要があります。変更しないと、ダイアログ ボックスは依然として \inetpub\wwwroot の下のフォルダにアドレスをマッピングするよう認識します。
- [OK] をクリックして [プロジェクト フォルダの設定] ダイアログ ボックスを閉じます。プロジェクト ファイルと Web アプリケーション ファイルは、ソリューション フォルダの 1 階層下のサブフォルダにマッピングされた仮想ルートに配置されます。
- ソリューション ファイル、プロジェクト ファイル、ソース ファイルがハード ディスクにダウンロードされます。ただし、VSS でロックされたままであることに注意してください。ソリューション エクスプローラの各ファイルの横に表示された錠前マークからこのことを確認できます。
- ソリューション エクスプローラで、 1 つ以上のファイルを右クリックして選択し [チェックアウト] をクリックできます。または Visual Studio の編集時にチェックアウト機能がファイルをチェックアウトする必要があるときに自動的にメッセージを表示するので、単純にソース ファイルの編集を開始することもできます。
- ローカルでの開発が完了後、各ファイルを個別にチェックインするか、または IDE (統合開発環境) の [保留中のチェックイン] ウィンドウを使用できます。このウィンドウが表示されない場合、[表示] メニューの [保留中のチェックイン] をクリックする必要があります。
注意 ファイルをチェックインせずにソリューションを終了すると、メッセージは表示されません。作業者の名前でチェックアウトされたままになります。
既存のソリューションを使用する 2 回目以降の作業
ここでは、以前に 1 回以上作業したソース管理されている既存のソリューションで作業する状況を想定します。ローカル ファイル システムには、以前の作業時に作成されたソリューション フォルダとプロジェクト フォルダが存在します。この中には、読み取り専用のソリューション ファイルとプロジェクト ファイルが含まれています。
VSS から既存のソリューションを取得するには
- Visual Studio .NET を起動します。
- 必要なソリューションがスタート ページに表示されている場合はクリックします。表示されていない場合は、ローカル ファイル システムのソリューション (.sln) ファイルを参照してソリューションを開きます。
- 最新のプロジェクト ファイルを取得するには、ソリューション エクスプローラでソリューションを右クリックして、[最新バージョンを取得 (再帰)] をクリックします。
重要 以前に VSS から取得している既存のソリューションで作業するときは、ローカル ソリューション ファイルを開く必要があります。その場合は [ソース管理で開く] メニューを使用しないでください。使用した場合、Visual Studio .NET がローカル ソリューション ファイルとプロジェクト ファイルの存在を検出して、ファイルの上書きを確認するメッセージが表示されます。また、ファイルを 1 つでもチェックアウトしている場合、ローカル ファイルを VSS からのファイルに置き換えるか、またはローカル ファイルをそのまま開くか問い合わせるメッセージが表示されます。ローカル ソリューション ファイルを開く方が単純で、エラーの発生が少なくなります。
既存のソリューションへの新しいプロジェクトの追加
ここでは、既存のソリューションに新しいプロジェクトを追加する状況を想定します。以下の手順は、ソリューションを VSS から上記の説明どおりに取得していることを想定しています。
新しいプロジェクトを追加して VSS に追加するには
- [ファイル] メニューの [プロジェクトの追加] をポイントし、 [新しいプロジェクト] をクリックします。
- 適切なプロジェクトの種類とテンプレートを選択し、プロジェクト名を入力します。
- ASP.NET Web プロジェクトの場合は、手作業でソリューション フォルダの下にプロジェクト サブフォルダを作成し、 IIS 仮想ルートとしてマークする必要があります。 Web アプリケーション以外の場合、新しいプロジェクト フォルダの場所は既定でソリューション フォルダの 1 レベル下になります。
- [OK] をクリックします。 Visual Studio .NET は新しいプロジェクトの詳細をソリューション ファイルに追加する必要があるので、 (チェックアウトがまだの場合は) ファイルをチェックアウトするかどうかを確認するメッセージが自動的に表示されます。
- [チェックアウト] をクリックします。新しいプロジェクトがソリューションに追加され、ソリューション エクスプローラに表示されます。なお、新しいプロジェクトの各ファイルの横には時計のマークが表示されます。このマークは、ファイルのロックが解除されていて、編集用に利用できることを示します。
- 新しいプロジェクト ファイルを使用した初期開発作業の終了後に、ファイルを VSS にチェックインする必要があります。 (新しいプロジェクトを含めた) ソリューション全体を VSS に戻すには、ソリューション エクスプローラでソリューションを右クリックし、[チェックイン] をクリックします。
- [チェックイン] ダイアログ ボックスに、現在チェックアウトされているすべてのファイルが表示されます。この中には新しいプロジェクト ファイルとソース ファイルが含まれています。すべてのファイルをチェックインするには、[チェックイン] をクリックします。
VSS へのソース ファイルのチェックイン
ソリューションとプロジェクトが VSS に存在する場合は、更新したファイルだけをチェックインする必要があります。これは、ソリューション エクスプローラで個別のファイルを右クリックして、 [チェックイン] をクリックすると実行できます。または、IDE の最下部に表示される [保留中のチェックイン] ページを使用して、チェックインする必要があるすべてのファイルの一覧を参照できます。このページを使用すると複数のファイルを簡単にチェックインできます。
ビルドの準備が整ったときのみファイルをチェックイン
通常 VSS にプロジェクトとファイルをチェックインするのは、単体テストを完了して、同僚のチーム メンバが他のプロジェクトに対し行った更新と共にビルドするときに、統合による問題が発生する可能性が低い場合に限ります。
重要 これは、一部のファイルを数日間 VSS にチェックインしないことになります。したがって、すべての開発用ワークステーションに対して十分なバックアップ作業が毎日適切に行われるようにしてください。
注意 昇格レベルの概念をネイティブにサポートする変更管理システムを使用して作業する場合は、現在の完成度とは無関係に、定期的にファイルをチェックインしたほうが良い場合があります。昇格レベルをサポートする変更管理システムは、通常特にこの目的での初期 "開発" レベルを提供します。ビルド プロセスはこのレベルからはソース ファイルを抽出しません。 "統合" など、高い昇格レベルに関連付けられているソース ファイルを使用して機能します。開発者やビルド コーディネータは、システム ビルド全体でファイルを統合する準備が整ったときのみファイルをこのレベルに昇格します。
ファイルとフォルダの名前の変更と削除
場合によっては、ソース管理 VSS プロジェクト内に存在する個別のファイルやフォルダの名前を変更したり、削除する必要があります。削除や名前の変更を Visual Studio .NET IDE で行っても自動的には VSS に反映されません。その逆も同じです。したがって、Visual Studio .NET と組み合わせて VSS エクスプローラを使用する必要があります。
ファイル名の変更
以下の手順は、Visual Studio .NET プロジェクト内のファイル名を変更する方法を説明しています。
Visual Studio .NET プロジェクトに含まれる既存ファイルの名前を変更するには
- VSS エクスプローラを使用して、名前を変更するファイルがチェックアウトされていないことを確認します。
- VSS エクスプローラを使用して、ファイル名を変更します。
- Visual Studio .NET を使用して、ファイル名を変更するプロジェクトを含むソリューションを開きます。ソリューション エクスプローラに、VSS で名前を変更したファイルがチェックアウトされていると表示されます。既に Visual Studio .NET にプロジェクトを読み込んでいる場合、ソリューション エクスプローラでプロジェクト ファイルを右クリックし、 [最新バージョンを取得 (再帰)] をクリックします。
- ソリューション エクスプローラでファイルを右クリックし、 [名前の変更] をクリックします。ファイル名は VSS での新しい名前と一致するように変更します。
- プロジェクト ファイルはファイルの一覧が保持されているので、チェックアウトするかどうかを確認するメッセージが表示されます。 [編集時にチェックアウト] ダイアログ ボックスで [チェックアウト] をクリックします。
- ソース管理メッセージ ボックスで、 [変更点を反映して継続] をクリックします。
- ソリューション エクスプローラに、ファイルがロックされていると表示されます。プロジェクト ファイルを VSS にチェックインします。
プロジェクト名の変更
第 3 章「ソリューションとプロジェクトの構成」の「名前付け規則を慎重に検討する」で説明したように、プロジェクト名を変更するときは、一貫した命名規則に従って以下の項目の名前を変更する必要があります。
- Visual Studio .NET プロジェクト ファイル
- プロジェクト ファイルを保持するローカル ファイル システム フォルダ
- VSS プロジェクト フォルダ
- 出力アセンブリ名
- プロジェクトのルート名前空間
プロジェクト名を変更するには
- プロジェクト ファイル、そのプロジェクト ファイルを保持するソリューション ファイル、およびプロジェクト内のすべてのファイルがチェックアウトされていないことを確認します。
- ソリューション ファイルをチェックアウトします。 Visual Studio .NET ソリューション エクスプローラでソリューションを右クリックし、 [チェックアウト] をクリックします。 [チェックアウト] ダイアログ ボックスでソリューション ファイルのみが選択されている (プロジェクト ファイルが選択されていない) ことを確認し、 [チェックアウト] をクリックします。
- ここで、VSS データベースからプロジェクトをバインド解除する必要があります。 Visual Studio .NET で、[ファイル] メニューの [ソース管理] をポイントして、 [ソース管理の変更] をクリックします。
- 名前を変更するプロジェクトを選択し (このとき自動的にソリューションも選択される場合があります)、 [バインドの解除] をクリックします。[ソース管理の変更] メッセージ ボックスが表示されるので、 [バインドの解除] をクリックします。
- [OK] をクリックして [ソース管理の変更] ダイアログ ボックスを閉じます。プロジェクト ファイルは (多くの場合ソリューション ファイルも) VSS データベースとのバインドが解除されます。
- ソリューション エクスプローラで、名前を変更するプロジェクトを右クリックし、 [名前の変更] をクリックします。新しいプロジェクト名を入力します。
- [ファイル] メニューの [すべて保存] をクリックします。ローカル ソリューション ファイルが更新されます。
- ローカル プロジェクト フォルダの名前を変更できるようにするため、ここでプロジェクトをソリューションから一時的に削除する必要があります。ソリューション エクスプローラで、名前を変更するプロジェクトを右クリックし、[削除] をクリックします。 [Microsoft Development Environment] メッセージ ボックスが表示されるので、[OK] をクリックします。
- エクスプローラを使用して、変更後のプロジェクト ファイル名と一致するようにローカル ファイル システムのプロジェクト フォルダの名前を変更します。
- Web アプリケーション名を変更する場合、エクスプローラか IIS を使用して、名前を変更したフォルダを IIS の仮想ルートとして確立します。メモ帳を使用してプロジェクト フォルダの .webinfo ファイルを編集し、 URLPath 属性がプロジェクトの新しい仮想ルート フォルダを指すように設定します。
- Visual Studio .NET に戻ります。ソリューション エクスプローラのソリューション ファイルを右クリックし、[追加] をポイントして [既存のプロジェクト] をクリックします。名前を変更したローカル プロジェクト フォルダを参照し、名前を変更したプロジェクト ファイルを選択して、[開く] をクリックします。
- VSS エクスプローラを使用して、変更後のプロジェクト名と一致するように VSS プロジェクトの名前を変更します。
- これでプロジェクトを VSS データベースに再バインドできるようになります。 Visual Studio .NET に戻り、[ファイル] メニューの [ソース管理] をポイントし、[ソース管理の変更] をクリックします。
- ソリューション ファイルが現在バインド解除されている場合、 [ソース管理の変更] でファイルをクリックして [バインド] をクリックします。このとき、VSS へのログインが必要な場合があります。 VSS のソリューション フォルダに移動してフォルダをクリックし、[OK] をクリックします。
- [ソース管理の変更] ダイアログ ボックスで、名前を変更したプロジェクトをクリックし、 [バインド] をクリックします。必要に応じて VSS にログインします。
- VSS で、名前を変更したプロジェクト フォルダに移動し、フォルダをクリックして [OK] をクリックします。
- [OK] をクリックして [ソース管理の変更] ダイアログ ボックスを閉じます。 [ソース管理] メッセージ ボックスが表示されるので [OK] をクリックします。
- [保留中のチェックイン] ウィンドウを使用して、ソリューションと、名前を変更したプロジェクトを VSS にチェックインします。
- ここで、該当するソース ファイルをチェックアウトし、ルート名前空間をプロジェクト名と一致するように更新する必要があります。
- プロジェクト ファイルをチェックアウトし、プロジェクト プロパティを更新する必要もあります。更新するプロパティは出力 DLL (ダイナミック リンク ライブラリ) や実行可能ファイルの名前を制御する Assembly Name などです。また、C# プロジェクトの場合は Default Namespace を、 Microsoft Visual Basic® .NET プロジェクトの場合は Root Namespace を更新します。この 2 つは新しい種類を追加する既定の名前空間を管理します。
古いプロジェクト ファイルを整理するには
古いプロジェクト ファイル、関連するソース管理メタデータ ファイル、および Web アプリケーションの場合の Web サービス ダイナミック探索ファイルは、名前を変更した VSS プロジェクト フォルダに残存し、ローカル ファイル システムの名前を変更したプロジェクト フォルダにも残存します。このようなアイテムは削除して整理する必要があります。
- VSS エクスプローラを使用して、名前を変更したプロジェクト フォルダから古いプロジェクト ファイル (*.csproj.proj)、古い Visual Studio ソース管理プロジェクト メタデータ ファイル (*.csproj.vspcc)、および Web アプリケーションの場合の古い Web サービス ダイナミック探索ファイル (*.vsdisco) を削除します。VSS で新しいプロジェクト ファイルが表示されるように、表示を最新状態に更新する必要がある場合があります。
- エクスプローラを使用して、ローカルに名前を変更したファイル システム プロジェクト フォルダから、古い Visual Studio ソース管理プロジェクト メタデータ ファイル (*.csproj.vspcc) と、Web アプリケーションの場合の古い Web サービス ダイナミック探索ファイル (*.vsdicso) を削除します。なお、これらのファイルはローカル ファイル システムでは読み取り専用です。
- Web アプリケーションの場合は、IIS を使用して名前を変更した古い仮想ルートを削除します。
VSS からのファイル削除
以下の手順は、プロジェクトを 1 つ以上含む VSS のソリューションを開いていて、プロジェクトに削除するファイルが含まれていることを前提としています。
ファイルを削除するには
- 削除するファイルがチェックアウトされていないことを確認します。
- ソリューション エクスプローラで、削除するファイルを右クリックし、 [チェックアウト] をクリックします。
- [チェックアウト] の構成確認ダイアログ ボックスで、[チェックアウト] をクリックします。既に第三者がファイルをチェックアウトしている場合、ファイルを排他的に利用できるようになるまで待機する必要があります。
- ソリューション エクスプローラで、ファイルを右クリックし、[削除] をクリックします。
- ファイルを完全に削除するかどうかを確認する [Microsoft Development Environment] メッセージ ボックスが表示されるので、[OK] をクリックします。
- プロジェクト ファイルはファイルの一覧が保持されているので、チェックアウトするかどうかを確認するメッセージが表示されます。 [編集時にチェックアウト] ダイアログ ボックスで [チェックアウト] をクリックします。
- VSS にプロジェクト ファイルをチェックインします。
- VSS エクスプローラを使用して、 VSS データベースから (チェックアウトの表示になっている) ファイルを削除します。 [Microsoft Visual SourceSafe] メッセージ ボックスが表示されるので、[はい] をクリックしてファイルの削除を確認します。
VSS からのプロジェクトの削除
以下の手順で、VSS からプロジェクトを削除する方法を説明します。
VSS からプロジェクトを削除するには
- ソリューション エクスプローラで、削除するプロジェクトを右クリックし、[削除] をクリックします。
- [Microsoft Development Environment] メッセージ ボックスで確認されるので、[OK] をクリックします。
- ソリューション ファイルはプロジェクトの一覧が保持されているので、チェックアウトするかどうかを確認するメッセージが表示されます。 [編集時にチェックアウト] ダイアログ ボックスで、[チェックアウト] をクリックします。
- ソリューションを VSS にチェックインします。
- VSS エクスプローラを使用して、VSS データベースからプロジェクトを削除します。
- ローカル ハード ディスクからプロジェクト フォルダを削除します。 Web アプリケーションの場合は、IIS を使用して対応する仮想ルートも削除します。
VSS からのソリューションの削除
以下の手順で、VSS からソリューションを削除する方法を説明します。
VSS からソリューション (と内部の全プロジェクト) を削除するには
- VSS エクスプローラで、ソリューション ファイル、すべてのサブプロジェクト、およびプロジェクト ファイルがいずれもチェックアウトされていないことを確認します。
- VSS エクスプローラを使用して、 VSS からソリューションを削除します。
- ローカル ハード ディスクからソリューションを削除します。
注意 削除しようとしていることを他のチーム メンバに連絡して、メンバが現在 Visual Studio .NET にソリューションを読み込んでいる場合にアンロードできるようにする必要があります。削除時にチーム メンバがソリューションを (チェックアウトせずに) 読み込んでいる場合、削除後にソリューションに含まれていたファイルをチェックアウトしようとすると、VSS エラーが発生します。
多重チェックアウト
通常は、VSS からファイルをチェックアウトできるのは一度に 1 人のユーザーだけです。しかし、VSS 管理ツールを使用すると、複数のユーザーが同一のファイルを同時にチェックアウトできるように VSS を構成できます。
多重チェックアウトは、プロジェクト ファイルなど頻繁にアクセスするファイルでの競合回避に役立つので、チーム環境で使用すると有益な場合があります。ただし、この機能を使用する場合、チームのそれぞれのメンバどうしで入念な調整を行う必要があり、 VSS にファイルをチェックインするときに変更が正しくマージされるよう配慮する必要があります。
多重チェックアウト モードのファイルを使って作業するには
- ソリューション エクスプローラを使用して必要なファイルをチェックアウトします。他のユーザーがファイルをチェックアウトしていることが Visual Studio .NET から警告されます。 [Microsoft Visual SourceSafe] メッセージ ボックスが表示されるので、[はい] をクリックします。
- ファイルのコピーを変更し、プロジェクトをコンパイルして単体テストを行います。
- ファイルをチェックインする前に、他の開発者による変更部分をマージし、ローカルで結合してテストする必要があります。これを行うには、ソリューション エクスプローラでファイルを右クリックし、 [最新バージョンの取得] をクリックします。 [Microsoft Visual SourceSafe] メッセージ ボックスが表示されるので、[マージ] をクリックします。 VSS が自動的に VSS のファイルとローカルで作業中のコピーをマージします。マージ後のファイルはコンパイルしてテストできます。
- テスト終了後、Visual Studio .NET を使用してファイルを VSS にチェックインします。ファイルがマージ済みの場合、VSS は競合がすべて正しく解決されているかチェックするかどうかを確認するメッセージを表示します。メッセージに対し [はい] をクリックすると、ファイルは VSS にチェックインされます。
ソリューション ファイルのチェックアウト
ソリューション ファイルは、マージ処理を困難にし、エラーを発生しやすくする要素であるプロジェクト グループを含んでいるので、同時チェックアウトが特に困難です。他の開発者が既にソリューション ファイルをチェックアウトしている場合は、通常はファイルをチェックアウトしないようにする必要があります。
多重チェックアウトを避ける以外にも、ソリューション ファイルの競合を減らすため、(たとえば、新しいプロジェクトの追加などは) 一度に短時間のチェックアウトを心掛けます。競合が発生した場合は他の開発者と調整し、ソリューション ファイルが排他的に利用できるようになるまで待機してからチェックアウトします。
関連情報
多重チェックアウトの詳細については、「http://www.microsoft.com/japan/msdn/library/ja/guides/html/vstskCheck_Out_Multiple_Files.asp」 を参照してください。
これは、「Visual Studio .NET と Visual SourceSafe を使用したチーム開発ガイド」の第 6 章です。続いて、第 7 章「チーム環境のセットアップと管理」を参照してください。